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号 6アナログロールプレイングのための七つ道具:小道具、技術、インスピレーション

発行日 11月 22, 2025

巻号の概要

『RPG学研究』第6号は,「アナログロールプレイングのための七つ道具:小道具,技術,インスピレーション」を特集テーマとして取り上げている.前号の「アクセスとアクセシビリティ」に関する議論を引き継ぎ,本号では,ダイス,ルールブック,衣装などの物理的道具に加え,技法,ハイブリッドなプレイ環境,さらには生成AIのような技術的ツールまで,ロールプレイングを形づくる「道具」に注目する.編集部による序論では,アクターネットワーク理論や関係性に基づく物質性の視点をもとに,道具や素材が単なる補助ではなく,プレイにおける「共演者」であるという立場が提示される.

本号の寄稿は,ルールブックの構成から脱出ゲームの演劇的デザインに至るまで,アナログ・ロールプレイングゲームがいかに道具や物質によってかたちづくられているかを浮き彫りにしています.いくつかの論考は,物理的オブジェクトや空間配置,ゲームコンポーネントがアクセシビリティや創造性,プレイの力動にどのように影響を与えるかを探っています.また,キャンペーン型ボードゲームやAIを活用したLARPのようなハイブリッド形態を通じて,デジタルとアナログの境界が曖昧になり,新たな関与のあり方が生まれる様子を論じるものもあります.これらの研究は,道具,技術,プレイヤーが相互に絡まり合いながら,ロールプレイ体験を共創していることを明らかにしています.

本号は,物質論的視点を通じて,ランプや鉛筆,ソフトウェア,教室の備品といった何気ない要素でさえも,物語的かつ社会的なプレイの次元を共に生み出していることを示しています.アナログ・ゲーミングの物質的基盤に目を向けることで,包摂的で意味のある,変容的なゲーム体験をかたちづくるために何が本質的な「道具」なのかを,あらためて問い直すことを読者に促しています.

注意:DOIおよびPDFリンクは現在機能しておりません(2025年11月22日現在).PDFについてはプレプリントページをご覧ください.

理論論文