本誌2024年号の発刊の趣旨は,アナログ・ロールプレイングゲームにおける「アクセス」と「アクセシビリティ」という相互に関連するテーマへと読者を導くものである.構造的な障壁や社会的偏見を浮き彫りにすることで,編集者たちは,ゲームにおける周縁化された人々や少数派のグループに対する包摂性の促進の重要性を強調している.本趣旨では,普遍主義的な「アクセス」のアプローチを超えることの必要性を訴え,多様なニーズ―例えばジェンダー,人種,社会経済的背景,障害など―を考慮した適応的な枠組みの重要性を説いている.学術的,活動家的,そして個人的な視点から得られた知見に基づき,本号では,アナログ・ロールプレイングゲームをより包括的にするための設計ツールや参加型戦略といった革新や課題が取り上げられている.最終的に,本号は,ゲーム空間を再考し,再構築するための協働的な対話を呼びかけ,すべての参加者にとって歓迎されると同時に力を与える場を確保することを目指している.