現在の日本では,発達障害のある子どもが多く通う福祉サービスの場として,「放課後等デイサービス」(以下,放デイ)がある.障害のある子どもとその保護者のニーズが増加している放デイに求められる基本的な支援の在り方に対して,TRPGは有効な支援ツールとなる可能性がある.そこで本研究では,TRPG活動を継続的に提供する放デイに勤める,保育士・児童指導員6名を対象に,TRPG を通して子どもが学べることについてブレインストーミングを行い,KJ法を用いて語りを整理した.その結果,他者とのコミュニケーションに関するグループ・キーフレーズが多く抽出され,TRPGがコミュニケーション支援ツールとして有用であると認識している可能性が示唆された.加えて,放デイはTRPGが取り組みやすい場所であるという語りも抽出された.以上のように,放デイにおけるTRPGの利用可能性が示唆されたことから,TRPGを用いた実践活動の今後の発展が期待される.