Case Report | 実践報告

大人の平和教育のための効果的なクトゥルフ神話TRPGのシナリオ作成とセッション運営の実施について

Yamamoto Mahisa | 山本 真妃沙

Independent Scholar | 独立研究者

How to Cite:

Yamamoto, Mahisa. 2021. “A Case Study on Effective Scenario Writing and Session Management employing Call of Cthulhu TRPG in Peace Education for Adults.” Japanese Journal of Analog Role-Playing Game Studies, 2: 22e-30e.

引用方法:

山本 真妃沙. 2021. 「大人の平和教育のための効果的なクトゥルフ神話TRPGのシナリオ作成とセッション運営の実施について」『RPG学研究』2号: 22j-30j.

DOI: 10.14989/jarps_2_22j

要約

[0.1] 大人の平和教育の一部にエンターテイメントを利用する有用性を探求するために,筆者は『クトゥルフ神話TRPG』のシナリオを本研究のために書き下ろした.このゲームセッションの参加者による自由記述式アンケートの回答から,現在のバージョンのシナリオの弱みが明らかになったが,同時に『クトゥルフ神話TRPG』のシナリオとセッション運営を効果的に発展させるために重要な要素が判明した.第一に,平和教育に効果的なセッションのためには,メインテーマを参加者にわかりやすくシナリオに織り込まなくてはならない.第二に,セッションはプレイヤーにキャラクターがどのように社会問題を捉えるかを考えさせることで,ひいてはプレイヤー自身が社会問題についての意識を高めるきっかけとなる可能性がある.第三に,セッションは異なる形式に対応するべきである.TRPGセッションの形式は大きく分けてオフライン(対面)プレイとリモートプレイがあり,リモートプレイにはボイスチャットセッションとテキストチャットセッションが主な形式として存在する.

[0.2] キーワード:TRPG, 平和教育, シリアスゲーム, シナリオライティング

Abstract

[0.3] To investigate the possibility of entertainment to be a part of peace education for adults, the author wrote a Call of Cthulhu TRPG (CoC) scenario for this case study. The players who participated in this scenario afterward answered an open-ended survey. On the one hand, the survey results point to limitations of the current version of the scenario but also implied essential factors for developing and managing CoC TRPG scenarios and sessions for peace educational purposes. First, for effective sessions, the scenario needs to incorporate the main theme intelligibly for players. Second, letting players think about how their characters perceive social issues may help players rethink their views and contribute to raising awareness of an issue. Third, sessions benefit from adapting them to different types of play: offline and remote play, voice chat, and text chat sessions.

[0.4] Keywords: Tabletop Role-Playing Games, peace education, serious gaming, scenario writing

1. 本研究の目的:成人がエンターテインメントを通じて学ぶことの意義とは何か

[1.1] 私たちが他の人類と協調して地球に住む人間である限り,平和の獲得と維持は切実な問題である.暴力が一人一人の人間の生存確率を減らすことに疑う余地はない.国連は”Declaration of Human Rights Education and Training[人権教育および研修に関する国連宣言]” (2011) の第3条で,人権教育は子供に限ったものではなく「すべての年齢の人の生涯学習である」と述べている(訳は引用者による).より平和な世界に繋げるために,すべての人の人権の尊重を成人が学ぶことは,子供への教育と同等の意義がある.しかし,平和や人権に関する事柄は通常,成人が学習する際に選ばれるトピックではない.

[1.2] 内閣府による,20歳以上の3000人の日本国民を対象に行われた生涯学習についての調査 (2015) によると,最大のグループ(52.3%)は過去一年間に学校卒業以降一度も何かしらの学習をしたことがないと回答をした.同時期に学習したグループで最も人気の高い学習内容は健康とスポーツについてだった(21%).学習内容の中に平和に関わる選択肢は無いものの,社会問題について(社会・時事問題・国際関係や環境問題)学んだ回答者は5.7%存在した.この統計は,大多数の成人は平和に関する学習を行っていないことを示している.

[1.3] その一方で,別の調査によると50.8%の人(18歳以上)は趣味とエンターテイメントを余暇の過ごし方として選択し,学習を行っていると答えた成人は14%であった (内閣府 2019).調査年が4年ずれていることと調査対象が異なっている(2019年の調査では18歳以上の日本国民を対象としている)ことから,これらのデータを同等に比較できないものの,多くの日本の大人は学習よりもエンターテイメントに時間を使い,特に社会問題を学ぶのはごく限られた少数であると言えるだろう.そのため,教育的な内容をエンターテイメントに組み入れることは,日本人の好みに合った方法で学習時間を増やす一つの方法となる可能性がある.1⁠ 故に,本稿ではテーブルトークRPG(以後はTRPGと省略)を平和教育のツールとして使用する可能性を考察する.

[1.4] 「ペン・アンド・ペーパー・ロールプレイングゲーム」とも呼ばれるテーブルトークロールプレイングゲームは,1970年代に登場した比較的新しいジャンルのゲームである.この呼び方が示すように,コンピューターRPGやライブアクションRPGと異なり,TRPGはもともとテーブルの周りに集まった人々がペンと紙を用いて遊ぶものである.このタイプのゲームは,ゲームのセッションをルールブックとシナリオに沿って管理する通常一人のゲームマスターと,ロールプレイによりキャラクターを操作する一人以上のプレイヤーたちの会話によって進行する (遠藤 2000; White et al. 2019). このようにペンと紙とテーブルを必要とするTRPGの原型と比較すると,現在のTRPGはCCFOLIA等のウェブサイトを使用しオンラインでもプレイができる.2 TRPGの中でも特に日本のオンラインコミュニティで人気が高まっているのは,『クトゥルフ神話TRPG』(以後CoCと省略)である.『クトゥルフ神話TRPG』については第2部を参照されたい.今日,TRPGは人気が高まっているだけではなく,その教育的活用法を探求し,発展する研究の主題としても扱われている.

[1.5] 例えば,Caoら (2018) の論文ではTRPGによりコミュニケーション能力の向上が見られた複数の研究が紹介されている.その主要な結果はTRPGが社会コミュニティを形成するためのコミュニケーション能力の強化に繋がる可能性があるというものだった.また,ゲームセッションが効果的にデザインされたならば,TRPGプレイヤーたちは問題解決能力,集団決定能力,創造的な解決策を見つける能力などを向上させられる (Daniau 2016). しかし,TRPGが成人への平和教育のツールとして使うことができるのかといった疑問は未だ探求されていない.従って,当研究では平和教育のためにTRPGシナリオを書く際と,セッションを運営する際に重要な要素を考察する.

[1.6] 平和のための教育は,人権の重要性や戦争の有害さを教えるだけに留まらず,異なる題材を利用できる.例えば,宗教は平和教育のための興味深いテーマの一つとなり得る.第一に,何人かの学者が述べるように,主要な宗教の教えや精神的指導者たちの言葉は,平和を実現するために世界で最も古くに文字にされた指導である (Duckworth 2008; Harris 2008).宗教を研究する多くの学者たちは地球上のすべての集団に宗教が存在していると確信し,そのことについて彼らの論文でも触れている (ブルケルト 1998; 竹沢 2003; ウィルソン 1990).特に,ウィルソン (1990) とブルケルト (1998) を含む社会生物学者たちは宗教が社会秩序を維持するためのシステムとして働いていたと主張している.鶴岡 (2004)によれば,宗教が倫理・道徳・法のベースとして使われることで集団のメンバーのエゴイズムとニヒリズムを予防した.従って,どのようにして人々が調和の中で平和的に暮らせるようになるかのヒントは,宗教のコア,宗教哲学から見つかるかもしれないのである.

[1.7] 第二に,宗教について理解する機会を与えることは,信仰を持つ人々に対する差別的な視線を減らすことに貢献する可能性がある.そもそも信仰がポジティブに現れれば壮大な美術として,ネガティブに現れれば虐殺につながる可能性があるように,信仰は”狂気”へと導くことがあるが (町田 2004, 146),信仰を持つすべての人々を危険人物だとレッテルを貼ることは社会の緊張やストレスを高め,差別を行う人々と,信念を侵害される人々のどちらも犯罪へと走らせる可能性がある.Lyons-Pallinaらの調査 (2015) は,アメリカに住むムスリムたちの間で,差別された経験がある人は暴力的な過激派を支持する傾向に繋がることを発見した.そのため,宗教についての偏見を減らすことは長期的に社会の平和へと貢献できると言える.

[1.8] 既に触れたように,平和教育には様々なテーマによるアプローチが可能で,異なるアプローチを使用することは平和教育そのものの有用性を高める.平和的な態度を学ぶ効果的な方法は人々の背景や好みによって異なるからである.今回のシナリオでは宗教がテーマとして扱われたが,他のシナリオでは異なるアプローチを採用できる.それぞれの人の中に平和を築くために適した方法を見つける機会を増やすことに重要性がある.筆者によって書かれた今回のシナリオは宗教から平和の役に立つ考え方を参加者に提案することが目的であった.

[1.9] では,平和的な態度を育むために役に立つ考えとは一体何か.例えば,信仰にまつわる哲学は,より平和な社会を作るため人々に他の人と協調して生きる方法を示唆しているかもしれない.バールーフ・スピノザの汎神論は伝統的なユダヤ教やキリスト教等の宗教の考え方とは異なる部分が多いが,すべての人の人権を尊重するヒントとして解釈が可能である.スピノザによると,すべてのものは神の変容である (スピノザ 1951).神を「我々が尊ぶべき最も重要な存在」と翻訳するならば,彼の主張は以下のように解釈が可能である:我々自身を含むすべてのものは最も重要な存在であるため,我々はすべての人,動物,自然などを尊敬し尊重するべきである.彼のエチカという書物では,スピノザはこの汎神論を論理的に証明している.従って,彼の論理的証明に納得した人は,その考え方を自分に合うように再解釈し,すべての存在を尊重する理由として採用できる.哲学を紹介することは人々に信仰を変えることを必ずしも要求しないながらも,特に宗教に馴染みが無かった人々に新たな視点を提供できるかもしれない.しかし,今日の大多数の日本人は宗教に馴染みがないだけでなく,宗教に興味が無いうえに,否定的なイメージを持っている.

[1.10] 2015年に行われた6000人の日本の大学生を対象とした宗教に対する考え方についての調査によると,合計で約53%の学生が宗教に関心がないと答えた (國學院大學 2017).その理由は「宗教の必要性を感じないから」が50.1%,「宗教に馴染みがないから」が43.6%であった.この割合は,「宗教に関する悪い報道やニュースを見たから(19.7%)」や「なんとなく嫌いだから(10.4%)」,「宗教に関する嫌な体験があるから(3.9%)」等ほかの選択肢よりもずっと高い (國學院大學 2017, 329).なお,この質問には複数回答が認められたことに注意されたい.さらに,61.6%の回答者が宗教に対して「アブナイ」というイメージを持っていることも判明した.この調査結果は日本の大学生たちは宗教に無関心ながらネガティブなイメージを持っており,その偏見の理由は実際に宗教で嫌な体験をしたからというよりも,宗教をよく知らず,馴染みが無いという理由が大きい.「アブナイ」イメージはおそらく1995年にテロ攻撃を行ったオウム真理教の事件や,一部の学生が受けた新興宗教やカルトからの勧誘により養われた可能性がある.朝日新聞 (2016) によると,2011年に実際に新興宗教に勧誘された学生は2380人のうち約17%であった.

[1.11] 日本における宗教に対する否定的なイメージは大学生に限らない.ここで1991年から宗教に対して調査を継続して行っているLeibniz Institute for the Social Sciences (GESIS)のInternational Social Survey Programme調査の結果を例に挙げる.最新の調査は2018年で,この調査は33か国から18歳以上の人を対象にしており,回答者は合計で46,267人にも及ぶ.この調査によると,たった6.1%の日本の回答者が「教会や宗教団体」に完全な,または多大な信頼があると回答した (GESIS 2020, 52–53).この―パーセンテージはすべての33か国のうち最も低い.さらに,日本人の41%が「世界を見てみると,宗教は平和よりも争いをもたらしている」という質問に「強く同意」か「同意」している (GESIS 2020, 62).この回答の割合はほかの国々と比べて最も高いわけではないが,このデータは日本人の多くが宗教や宗教団体に不信を抱いていることを示している.3

[1.12] しかし,宗教の教えや宗教哲学は平和のために重要な視点を提供できる.ただ危険だったり不信に見えたりするからといって払いのけられるのは惜しい.そのため,筆者は宗教に対する否定的な偏見に疑問を投げかけ,宗教的な考え方が平和の役に立つのではないかとTRPGを通して提案しようとし,セッションを行った.本研究では,宗教や神々がテーマとなっている『クトゥルフ神話TRPG』を使用した.

2. 『クトゥルフ神話TRPG』の概要

[2.1] 『クトゥルフ神話TRPG』はハワード・フィリップス・ラヴクラフトと彼の友人らアメリカ人小説家たちによって書かれた神話ホラー小説をベースにしているTRPGである (ピーターセン and ウィリス 2004, 28).そのため,CoCの主要な目的はホラー体験を楽しむことである.この特定のTRPGは日本で現在最も流行しているTRPGの一つと言える.

[2.2] 日本においてCoCは,ニコニコやYouTube等のオンライン動画サイトで人気が高い.ほとんどのCoCについての動画は「リプレイ動画」と呼ばれる,実際のあるいは創造されたTRPGのセッションを主に文字によって再現された動画である.ニコニコではCoCリプレイ動画は2012年から投稿され,2021年11月現在でその数は20,000件に達しようとしている.4 ニコニコに投稿されているその他のTRPGリプレイ動画は『人狼ゲーム』5(2,189件)や『インセイン』[河嶋 (2013); 1,082件]であるが,これらの動画投稿数の比較により,CoCが日本のオンラインコミュニティで最も人気のTRPGであることがわかる.

[2.3] CoCは「探索者」と呼ばれるキャラクターを操作するプレイヤーと,「キーパー」と呼ばれるゲームマスターの二種類のプレイヤーによってプレイされる(ピーターセン and ウィリス 2004, 28–30).キーパーはセッションのためにシナリオを用意し,ゲーム中は探索者たちが直面しているシチュエーションを説明し,探索者たちを導いたり挑戦したりする.一方で探索者を操作するプレイヤーは,プレイヤー自身が作成したキャラクターになりきることで登場人物としてセッションに参加する.

[2.4] 他のTRPGやRPGと同様に,CoCの探索者たちは身体的,精神的な強さや知能,魅力等の特徴があり,ルールブックの第六版ではサイコロを振ることによって決定される(ピーターセン and ウィリス 2004, 39–40).プレイヤーたちは探索者の名前,年齢,職業や生い立ち等のプロフィールを決めることができるが,詳細は前述の特徴に沿うことが望ましい.そのため,一部のゲームの「アバター」はバーチャル世界におけるプレイヤーの分身 (Castronova 2003, 4) の一方で,CoCの探索者は必ずしもプレイヤー自身を象徴しない.後に第5章で解説するように,何人かのCoCプレイヤーたちは,プレイヤー自身とは異なる考え方を持つ探索者キャラクターを操作し,キャラクターの性格や経験を豊かにすることを楽しんでいる.

[2.5] CoCのシナリオを用意する方法は複数存在する.いくつかのシナリオはCoCのルールブックに載っており,シナリオ本も出版されている.しかし,アマチュアによって書かれたシナリオの方が数と多様性の面で非常に豊富である.プロフェッショナルとアマチュア両方のアーティストのためのソーシャルネットワーキングサービスのPixivでは,15000件近いCoCのシナリオが無料で遊べるよう投稿されている.6 同様に,4600件以上のCoCシナリオがPixivが運営する通販サイトのBOOTHに無料あるいは有料で公開されている.7 多くの日本のCoCプレイヤーたちは公式に出版された本よりも,PixivかBOOTHから手軽に入手できるシナリオで遊んでいるのが現状である.しかしながら,プレイヤーが特定のシナリオをプレイした後に社会問題について考え始めるケースはあるかもしれないが,平和教育の目的のために書かれたシナリオあるいは平和教育に使用できる可能性のあるシナリオは筆者の知っている限りでは発見されていない.そのため,筆者はオリジナルのCoCシナリオ「ノクス・フィロソフィアエ」を作成した.このシナリオについては次のセクションで解説する.

3. ノクス・フィロソフィアエ

[3.1] 成人の平和教育の可能性を探求するために,筆者はCoCシナリオ「ノクス・フィロソフィアエ」を作成した.このシナリオに参加する探索者たちの当初の目的は,「水鏡荘」と呼ばれる怪しい高級ホテルへの潜入捜査である.探索者たちは2人か4人の刑事で,このホテルで開かれる「ノクス・フィロソフィアエ」というパーティーに参加するよう命じられている.探索者の半分はパーティーの招待客に,もう半分はそのゲストのボディーガードに扮する.すべての探索者たちは事前にホテルとパーティーについて情報が与えられている.この事前情報により,探索者たちはホテルとパーティーは怪しいカルト組織と関係があると考えるよう誘導されている.

[3.2] パーティー「ノクス・フィロソフィアエ」では,探索者たちは招待客とボディーガードとして振舞わなければならない.そのため,招待客役の探索者はホテルのオーナー水野に「ソフィアの交換」と呼ばれるゲームに参加するよう呼ばれる.招待客がそのゲームに成功すれば,特別な賞品が与えられる.「ソフィアの交換」は特別なゲームではなく,哲学的な質問についての一対一の意見交換である.ホテルオーナーの水野から探索者に投げかけられる質問は「奇跡を見せる様子のない神を,あなたは信じることができますか」であり,水野はどんな回答も受け止める.招待客役の探索者が答えた後,水野は「神への信仰は他の人間と協力して生きるために発明された社会的な機能であると考え,信仰を持つことは自分にとって有用なため,そのような神でも信じる」と彼女自身の意見を述べる.意見交換の後に探索者は「ソフィアの交換」の景品として「金の鍵」を受け取る.

[3.3] パーティーでのいくつかの催しのあと,「金の鍵」を受け取った探索者は誘拐されるため,ボディーガード役の探索者はパートナーを探しに行かなければならない.招待客とボディーガード側がそれぞれに探索を進めていくと,何者かが二時間後に行う「儀式」が失敗すると,ホテルにシアン化合物が散布される予定であることを知る.さらに,その儀式はホテルの庭にある湖に「金の鍵」とその新たな持ち主を同時に投げ入れることで執り行われると判明する.招待客が「ソフィア交換ノート」と書かれたノートを発見すると,ホテルオーナーの水野は汎神論を採用しており,宇宙に存在するすべてのものを尊重することは人間が協力して平和に生きるための一つの方法だと信じていることがわかる.この水野の意見に対して,本多と名乗る見知らぬ人物からのコメントがその下に書き込まれており,本多はすべては虚空から生まれたため,すべて虚空に帰るべきであると主張している.虚空の力を信じる者に奇跡が起こると信じていることも続けて書かれている.このノートのやりとりから,誰が邪悪な計画の首謀者であるか探索者たちは目星をつけることができるはずである.

図1: 筆者がccfolia.comで作成したセッション用の「部屋」と呼ばれる場のスクリーンショット.
サイドバー 1: スクリーンショット説明と凡例

1: 背景とプレイヤーキャラクターのアイコンがここに表示される.
2: プレイヤーキャラクターとキーパーの発言がここに表示される.キャラクターの発言,重要な情報,質問や雑談など目的に応じて異なるタブを使い分けている.
テキストセッションはこのエリアでメッセージをやりとりすることによって進行する.
3: ココフォリアではサイコロをオンラインで振ることができる.このキャラクターはSANチェックに成功した.
4: メッセージを送信するテキストボックスである.

[3.4] 平和教育のツールとするため,このシナリオには二つの目的がある: 1)宗教に対する偏見に疑問を投げかける, 2)バールーフ・スピノザの汎神論を,平和を築くためにすべてを尊重する一つの考え方として提案する.一つ目の目的のために,このシナリオには二つの宗教組織が関わっている.ホテルオーナーの水野が率いる哲学的な新興宗教組織と,計画の首謀者である本多の率いるラヴクラフトのクトゥルフ神話に登場する架空の邪神「ヨグ=ソトース」を崇拝する危険なカルトグループである.筆者はすべての新興宗教が危険なわけではないということを,(はじめは怪しく見えたものの)ホテルオーナーの思想の無害さを見せることによって描こうとしていた.二つ目の目的のために,「ソフィア交換ノート」でスピノザの汎神論を支持する水野の解釈とスピノザの著書の引用を共有し,スピノザの汎神論を紹介した.

[3.5] Haavelsrud (2008) が指摘するように,プロパガンダや洗脳に陥らないために,平和教育では知識の生産と再生産は教師と生徒の双方から行われるべきである.そのため,「ソフィアの交換」は水野の考え方を探索者とプレイヤーに押し付けるために起こるイベントではなく,有意義な意見交換を楽しみ,キーパーを含めたすべての参加者の相互学習が起こることを期待したものである.さらに,セッションの中盤では探索者たちは厳しく分断され,お互いが何をしているのか知ることができない.情報交換はトランシーバーにより限られた時間でのみ許可される.この分断の動機はプレイヤーたちに情報交換の重要性と困難さと,間違った事実を伝えることにより偏見が増し,究極的には破滅に導くことを体感させるためである.この試みの結果は以下で議論する.

4. セッションの効果を評価する

[4.1] 本研究のため,日本の20歳以上の成人5人が最初の「ノクス・フィロソフィアエ」の2回のセッションに参加した.セッションはどちらもオンラインのリモートプレイにより行われたが,初めのグループは「ボイスチャットセッション」で二回目のグループは「テキストチャットセッション」の形式が採用された.前者がミーティングソフトウェアのZoomを使用しほとんど口頭の会話のみで行われたのに対し,後者はテキストチャットでプレイされた.最初のグループは探索者としてプレイする2名の参加者と1名のキーパー(筆者)で構成され,2番目のグループは探索者として参加した3名と1名のキーパー(筆者)で構成された.2番目のグループでは,筆者はキーパーと,同行する探索者(招待客側)の2つの役割を担った.そのため,セッションに登場した探索者の数は合計で6人だが,筆者以外のプレイヤーによって操作された探索者は参加者の数と同じ5名である.5名のうち2名は招待客に扮しており,3名がボディーガード役を担った.「ノクス・フィロソフィアエ」のセッションに参加したすべての探索者は,過去に3回以上異なるシナリオにともに参加している.8

[4.2] ほとんどの参加者はCoCを10回以上プレイしており,そのうち1人は他の参加者よりも経験が少なかったものの,既に多くのCoCの知識を有していた.セッションの後,参加者たちはセッションの経験についてのアンケートに答えるよう依頼された.

[4.3] 最初のボイスチャットセッションの後,筆者は2回目のセッションの前にシナリオのいくつかの点を見直した.主な修正は,1)カルト教団とホテルオーナーの教団が異なることをはっきりさせた,2)情報交換の時間制限の変更 の二か所である.一点目の修正は,無用なミスリードを防ぎ,ホテルの無害さを暗示するためホテルオーナーの秘書が信頼に足ることを明確にした.二点目については,初回のボイスチャットセッションでは探索者たちの分断が厳しく管理されていた(それぞれ10分間分断され別行動を行い,情報交換はトランシーバーを用いて3分間に終える).所要時間が多くかかるというテキストチャットセッションの特徴から,この時間制限はプレイヤーの希望によりほとんど撤廃された.この撤廃は注意深く思考したいプレイヤーの満足度の向上に繋がると同時に,ボイスチャットセッションのプレイヤーが経験したスリルはあまり感じられなかったであろう.時間の制約により,集計したデータはシナリオの完全版ではなくテストプレイバージョンのものであるが,これは有意義な発見と呼べる貴重なデータとなった.

[4.4] アンケートは全13問あり,そのうち10問は自由記述式で,セッション4日後にオンラインで行われた.回答が難しいか,答えづらい質問は空白のまま送信が可能だった.そのため,5人の参加者全員がアンケートに回答したものの,すべての質問に回答が得られたわけではない.アンケートのすべての質問については付録1を参照されたい.

[4.5] アンケート結果は主題分析法を用いて分析された.Braun & Clarke (2006)によると,主題分析は質的データを分析し,パターンとテーマを求める手法である.アンケート回答をコード化した後,平和教育のツールと役立てるためシナリオとセッション運営の改善のヒントとなるテーマを形成するようコードを融合して行く.現在のバージョンの「ノクス・フィロソフィアエ」では第3章で述べた目的に対して効果的だったとは言えないものの,分析により3つの重要なテーマが判明した.

5. 分析の結果

[5.1] CoCセッションを平和教育用に発展させるために重要なテーマは以下の3つである。1)主題の提示方法,2)「自分ではなく,探索者として」行うロールプレイング,3)セッション形式による差異.

[5.2] ほとんどの参加者に対して,「ノクス・フィロソフィアエ」のセッションでは「すべての宗教が危険なわけではない」という主題を効果的に提示できなかった.質問11の「このシナリオをプレイすることで宗教に対する偏見はどのように変化すると思いますか?」という質問に対し,ある回答者は「どうしても[シナリオに登場するカルト教団の]虚空崇拝の方の所業の方が印象に残ってしまい,初回時のシナリオでは先入観を持つ人の意見はあまり変わらないかもしれない」と答えた(2021年4月18日回答のオンラインアンケートより).また,他の回答者は「本多とも“ソフィアの交換”のようなやりとりをする[…],後日談として水野か本多と落ち着いて話す,などのシーンがあると少し印象が変わるかもしれない」と述べた(2021年4月19日回答のオンラインアンケートより).さらに,スピノザの提唱する哲学は複雑なため,哲学に馴染みのないプレイヤーのためにもよりわかりやすい解説が必要であることも判明した.しかしながら,「ソフィアの交換」は実際にそれに参加した招待客側の探索者としてプレイしたプレイヤー達からは好意的な反応を得られた.招待客側探索者のプレイヤーたちにとって,「ソフィアの交換」は他のNPC(ノンプレイヤーキャラクター.キーパーによって操作される)が事前に手本を見せていたために実行は難しくなく,そこで質問された哲学的な内容が興味深いとのことだった.

[5.3] 「ソフィアの交換」に参加したプレイヤーの2名共に,投げかけられた哲学的な質問を通して自身の探索者を掘り下げることに楽しさを見出せていたことがわかった.今回のセッションに参加した探索者たちは,既にキャンペーンプレイにより過去のセッションから詳細なプロフィールや思い出が蓄積しているため,ほとんどの参加プレイヤーたちはそれぞれの探索者に一定の愛着があるかのように見えた.この詳細なプロフィールと愛着が,プレイヤーたちにもっと自分の探索者について知りたいという欲求を生み出したとも言えるだろう.実際,ある参加者は「[ソフィアの交換は,自分のキャラクターが神をどのように見ているかを]考えるきっかけになる題材だと思いました.そういうものがあるとPC[(プレイヤーキャラクター)]としての生命がより強く宿る気がして,それを操作してゲームを楽しむのはまた面白いだろうなあと思います.」と回答している(2021年4月16日回答のオンラインアンケートより).もしもTRPGセッションが,多くの人々に誤解を受けていること(例えば日本において宗教が「危険」と見られていること)をプレイヤーキャラクターがどのように認識しているかを考える機会を提供できれば,プレイヤーにも同じ偏見について再考を促すチャンスとなるだろう.しかし,現在のバージョンでは社会問題に対する意識向上は達成されなかった.

[5.4] セッション形式の違いにも注意が必要である.2時間半で終了したボイスチャットセッションとは対照的に,テキストチャットセッションは終了までおよそ12時間かかった.通常,テキストチャットセッションはそれぞれの参加者のタイピングの時間によりボイスチャットセッションよりも所要時間が長くなる.ある回答者は,ボイスチャットセッションではタイムラグなしにストーリーが進むスリルがある一方で,「ソフィアの交換」の質問のように熟考するべき内容を考えるのに十分な時間がないことを述べた(2021年4月18日回答のオンラインアンケートより).

[5.5] 他方で,テキストチャットセッションの利点は難解な質問に取り組むための豊富な時間があり,またボイスチャットセッションでは聞き流していたかもしれないキャラクターの発言を読み返すことができ,重要な決断について深く考えられることである.本シナリオの目的を鑑みるに,決断や質問への回答のために十分な時間を与えることでより効果的に平和や社会問題に対する意識を向上させることができるかもしれない.しかし,テキストセッションに要する膨大な時間は同時に,この形式の不利な点でもある.

[5.6] さらに,リモートプレイの効果も考慮に入れるべきである.一つ目は正の効果で,どちらの形式のセッションでもリモートプレイは日本各地に住む多様なプレイヤーの参加を可能にした.しかし,二つ目は負の効果である.リモートプレイは,対面でプレイするときと比べ,参加者が他の参加者の状態に関して得られる情報が少ない.プレイヤーもキーパーも,誰かが居心地の悪さを感じている場合それに気が付けないことが多い.実際に,今回のキーパー(筆者)はセッション中に一部の参加者が不快な思いをしていたり,飽きてしまっていたりしたことに気付けなかった.リモートプレイは多様な人々が気軽に共同でプレイを可能にするが,以下に解説するように,すべての参加者がそれぞれに居心地の悪さを適切に伝えられるようにすることはセッションの効果を高めるために重要である.

[5.7] 最も重要な点として,セッションの運営者は,可能な限り参加者全員にとって楽しめるセッションとなるよう尽力しなければならない.たとえシナリオが平和教育の一部となるよう設計されたものであるとしても,娯楽としての側面は教育的側面と同等の価値を置くべきである.あるプレイヤーは,他のキャラクターと共にダンスを踊ることを強制されたシーンに不快さを覚え,そのため「[セッションを]以降もあまり楽しめませんでした」(2021年4月17日回答のオンラインアンケートより)と回答している.他の回答者は,長時間のテキストセッションによって疲れてしまったと述べた(2021年4月20日回答のオンラインアンケートより).もしもセッションがプレイヤーの誰かにとって後味の悪いものとなってしまった場合,今後そのセッションを思い起こさせるシナリオのプレイを避けたがるであろうことが予想できる.さらに,そのセッションに登場したものについてネガティブなイメージを持ってしまう可能性さえある.こうなってしまった場合,期待できる学習効果は非常に低くなるだろう.他方で,全体としてプレイヤーがセッションを楽しむことができたのであれば,類似するシナリオを再びプレイしたいと思う可能性は高くなる.仮に一つのシナリオで新たなことが何も学べなくても,次回,他のセッションで何かを学ぶことができるかもしれないのである.

6. 結論

[6.1] 今回の事例研究の結果は下記の通りである.

[6.2] まず初めに,平和教育を目的としたシナリオの主題を効果的に提示するために,作者は主題をわかりやすく,可能であれば日常的な例を挙げて説明する必要がある.プレイヤーキャラクターたちに異なる考え方を持つキャラクターたちと会話をさせ,全員が主題をリアルに感じられるイベントに参加できるようにするとより効果が高まる.プレイヤーたちにはメインテーマ(「ノクス・フィロソフィアエ」の場合はスピノザの汎神論や無害な宗教)を印象付けさせ,その反対の存在(黒幕の計画や悪行)の方が強く印象に残らないように気を付けるべきである.このとき,作者はプロパガンダや洗脳とならないように注意を払わなくてはならない.主題を印象付けるのは重要だが,プレイヤーにその考え方が唯一の真実であると盲目的に信じさせてはならない.

[6.3] 第二に,一部のCoCプレイヤーは自身とは異なる性格,経歴,考え方を持つキャラクターを操作することを楽しむため,キャラクターを膨らませることもこのゲームの楽しみ方の一つだと言える.従って,自身のキャラクターがプレイヤーたちの現実世界で起こっている問題についてどのように考え,行動するかをゲーム中に考えさせることで,セッションがプレイヤー達にも同様の問題について思考を促す機会ともなりえる.

[6.4] 第三に,様々なセッションの形式を柔軟に採用することは快適なプレイのために不可欠である.ボイスセッションの際,キーパーはプレイヤーが考えるための時間を十分に与え,セッション中に重要な情報をプレイヤーが見直せるよう書き出すといった工夫ができる.テキストセッションの場合は,セッションが長時間に及ぶことをあらかじめプレイヤーに伝え,プレイヤーの希望する長さに合わせてセッションを分割するべきである.

[6.5] 最も重要なことは,シナリオの作者とキーパーはセッションがなるべく全てのプレイヤーが楽しめるようにするべきである.セッションの間にも,すべてのプレイヤーはそれぞれのプレイヤーが持つ信念を否定しない等コミュニケーションの配慮をするのが好ましい.

[6.6] 調査により,現在のバージョンの「ノクス・フィロソフィアエ」を使用したセッションは効果的な平和教育のツールとして不十分だと判明した.しかし,一部の参加者はアンケートを通して日本に存在する宗教に対する偏見についての意見や,どのようにすればCoCがそういった偏見に疑問を投げかけるきっかけとなれるかについての考えを共有してくれた.これは一部のノルディックLARPが行っているように (Stenros 2014, 151),セッションの主題についてプレイヤーにそれぞれの意見を考えてもらい,共有するための機会を作る有用性を示唆している.今後はCoC等のTRPGセッションの主題についてのプレイヤー間のディスカッションを,セッションに効果的に組み込む方法についてのさらなる研究が期待される.

付録

アンケート質問一覧

  1. セッション参加日を教えてください.
  2. セッションの形式はボイスセッションとテキストセッションのどちらでしたか?
  3. セッションの形式(ボイセ,テキセ)で良かった点と,難しかった点を教えてください.
  4. セッションではどちらの招待客とボディーガードのどちらの役割を担いましたか?
  5. セッションに参加していて,楽しめた点と楽しめなかった点を教えてください.また,どのようにシナリオやセッションの流れを工夫すればもっと楽しめたか意見があれば教えてください.
  6. “ソフィアの交換”についてどのように感じましたか?(面白かった・難しかった・自分じゃなくてよかったと思った,またやりたい,等)
  7. シナリオ内ではオランダの哲学者スピノザの『神即自然』という汎神論(どこか別のところには神がいるのではなく,全てが神であるという視点)を取り上げました.この汎神論について,事前にどのくらい知っていましたか?
  8. セッションを経て,また,シナリオ背景を読んでスピノザの汎神論についてどのように感じましたか?(例:全くわからない,少しわかった気がする,同意する,違う意見を持つ,等)
  9. ホテルオーナーの水野や本多の考え方についてどう思いますか?(例:共感できる,共感できない,参考にできる,参考にできない,等)
  10. セッションの前と後で自分の考え方などで変わったことはありますか?もしあれば,教えてください.
  11. 当シナリオでは成人に対する平和教育の一環として「一部の人における宗教そのものや,新興宗教に対する差別や偏見を減らす」きっかけとなることを狙って作成しました.そのためにスピノザの『神即自然』を紹介したり,水野や彼女のホテルで示唆した宗教観と本多の主導する”虚空崇拝”の宗教観や思想を対立させたりしました.一部の「宗教」や「新興宗教」という言葉や団体に対する「怪しい,胡散臭い,危険」といった先入観を持つ人の意見は,このシナリオをプレイすることでどのように変化すると思いますか?
  12. シナリオやセッションの運営をどのように工夫すれば,実生活で役立つような考え方(哲学や実践的な知識など)を紹介し,身に着けられるセッションにできると思いますか?
  13. その他に意見があれば教えてください.(キーパーをやるならこうしたい,次回はわかりやすいシナリオをやりたい,シナリオ全体やセッションの運営,他のプレイヤーとの交流で思ったこと,等)

注記

  1. 教育のツールとして遊びを使用することはプラトンの時代から提案されている (Wilkinson 2016). .さらに一部の研究者は,今日,特にデジタルな方法でゲームの要素を教育に使用することは「特定の行動を奨励し,やる気を高めるために人気のある戦略となった.」 (Huang and Soman 2013, 5, 訳は引用者による) と述べている↩︎

  2. ウェブサイト: https://ccfolia.com/ (2021年11月8日取得).↩︎

  3. 年に一度か二度,もしくは年に数回(神社や仏閣,家などで)拝む日本人の割合が合計で約50%に達する (GESIS 2020, 221) ことはこの調査結果と相いれないように見える.新年に神社で初詣をする等の宗教的な習慣が日本人にあったとしても,これを宗教的だと感じない傾向がある.これについて島田 (2007) は日本人は信念が伴っていなければ,宗教的だと考えないのだと主張している.↩︎

  4. ウェブサイト: https://www.nicovideo.jp/ (2021年11月8日取得).↩︎

  5. 人狼ゲームはもともとは西洋の伝統的なゲームであり,現在ニコニコで投稿されているこのゲームのリプレイ動画は創作されたプレイセッションか,るる鯖(https://ruru-jinro.net/; 2021年11月8日取得)等を利用しオンラインでプレイされたもののリプレイである.↩︎

  6. ウェブサイト: https://www.pixiv.net/novel/ (2021年11月8日取得).↩︎

  7. ウェブサイト: https://booth.pm/ (2021年11月8日取得).↩︎

  8. 同じキャラクターを使用して異なるシナリオをプレイするキャンペーンプレイという遊び方が存在する.キャンペーンに参加したキャラクターは,過去のセッションから得た経験により技能の成長や思い出を得ることもできる.↩︎

参考文献

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ゲーム目録

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